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同棲中のカノジョ・倉木しおりと、そのヤリマンの親友・中尾芽衣子
Photo by 同棲中のカノジョ・倉木しおりと、そのヤリマンの親友・中尾芽衣子

まさのり監督による恋人巻き込み型ハーレムVR三部作の最後はアンチ・ハーレムとなった

2020年6月20日 更新日:

まさのり監督、倉木しおり・中尾芽衣子出演の『【VR】 同棲中の彼女の友達がかなりのヤリマン!ある日ボクの家で三人で飲み会をすることになりチャンス到来!彼女の目を盗んでヤリマン友達を口説こうとするも「私、ヤリマンだけど親友の彼氏にだけは手出さないって決めてるから」ときっぱり断られてしまった…。しかし…』のレビュー。そして同作のレビューのレビュー。

【VR】 同棲中の彼女の友達がかなりのヤリマン!ある日ボクの家で三人で飲み会をすることになりチャンス到来!彼女の目を盗んでヤリマン友達を口説こうとするも「私、ヤリマンだけど親友の彼氏にだけは手出さないって決めてるから」ときっぱり断られてしまった…。しかし…

作品情報

出演AV女優倉木しおり中尾芽衣子
監督まさのり
メーカー/レーベルHHH-VR(HHHグループ)
収録時間132分
発売日2020/05/21
内容同棲中の彼女の友達がかなりのヤリマンらしい!ずっと気になっていたらある日、ボクの家で三人で飲み会をすることに!彼女の目を盗んでヤリマン友達を口説こうとするも「私、ヤリマンだけど親友の彼氏にだけは手出さないって決めてるから」とヤリマンのクセに妙に義理堅い一面を見せ断られてしまった…。しかしヤリマンのエロトークに辛抱たまらなくなったボクは、こっそり彼女のグラスには睡眠薬、友達のグラスには媚薬をこっそり入れたところ…効果抜群!明らかにモジモジしている彼女の友達に思い切ってボディタッチしてみたところ。目を潤ませてこっちを見つめてきた!これはいける!と、そのまま彼女が寝ているすぐ隣で堂々と浮気SEXに成功!!終わり際に彼女が目を覚ますも間一髪でバレずに済んだ…のですが、目を覚ました彼女が友達の媚薬入りの酒を飲んでしまってさぁ大変!グッタリした友達がすぐ隣で寝ているのにも関わらず勝手にボクに跨ってイキまくり!!挙句の果てに、まだ媚薬が効いている友達もノリノリで参戦、いつもは彼女に断られる中出しもOK!ヤリマンの意地で彼女の友達も中出しOK!の濃厚3Pに発展!!媚薬でブーストアップするヤリマンと彼女の変貌っぷりは必見!

まさのり監督、三度目の恋人巻き込み型ハーレム

恋人の目の前で別の女とセックスする。そして恋人を巻き込んでハーレム状態になる。今作をおおざっぱに紹介するとそうなる。

恋人や妻が参加するハーレム設定は、2D AVでもVR AVでもときどき見られる。VR AVではあまり多くない。ここでは、このタイプを「恋人巻き込み型ハーレム」と呼ぶことにする。

まさのり監督による「恋人巻き込み型ハーレム」VRはこれが三度目になる、と自分はカウントしている。

一作目「地味悪女VR」

最初が『【VR】 彼女とボクの間に割り込んできた[他人のモノを欲しがる地味悪女]。飲み会でボクを気に入った可愛い子が地味目な友達を連れて突然の訪問。しかも地味っ子がお風呂に入ってる隙に「付き合ってくれるならエッチしてもいいよ」とおねだりセックスのお誘い!当然…』。

これは「恋人巻き込み型ハーレム」としてはちょっと変型(だが、よくある型でもある)で、その場で即席にできあがった恋人(川田みはる)とセックスした後に、その友人の稲場るかに誘惑されセックス、そしてそれを目撃して動揺する恋人を稲場るかが挑発して3Pになるという構成。この作品を「地味悪女VR」と呼ぼう。

二作目「カップル同時NTR VR」

次が『【VR】 彼女と一緒に行ったエステで隣で施術を受けている彼女がエステティシャンにNTRされていた!しかもそれを見てしまったボクもエステティシャンにNTRされてしまい、まさかのカップル同時NTR!』。

SOD VRの『ペアルームNTRエステ』シリーズのように、カップルがエステに行ったところ、二人が同時にエステティシャン(河北はるな、美園和花)に誘惑されて恋人(真宮あや)と主人公が二人並んでレイプされ気味のセックスをすることになるというもの。

ただし、SOD VRと似ているのは導入だけで、恋人をネトるのは女性エステティシャンだ(SOD VRでは男性)。しかも、ネトる側のエステティシャンはひたすら恋人に挑発を繰り返し、最終的には主人公と恋人がそれまでより遠慮のないセックスに至る。

「遠慮のないセックス」とはこの場合「中出し」することを指す。むやみな「中出し」礼賛にはやっぱり抵抗があるけれど、お互いに強く求め合うことのシンボル的行為としてAVではよく使われていて、この作品でもそう見える。この作品を「カップル同時NTR VR」と呼んでみる。

三作目「ヤリマン親友VR」

そして、今作『【VR】 同棲中の彼女の友達がかなりのヤリマン!ある日ボクの家で三人で飲み会をすることになりチャンス到来!彼女の目を盗んでヤリマン友達を口説こうとするも「私、ヤリマンだけど親友の彼氏にだけは手出さないって決めてるから」ときっぱり断られてしまった…。しかし…』。

【VR】 同棲中の彼女の友達がかなりのヤリマン!ある日ボクの家で三人で飲み会をすることになりチャンス到来!彼女の目を盗んでヤリマン友達を口説こうとするも「私、ヤリマンだけど親友の彼氏にだけは手出さないって決めてるから」ときっぱり断られてしまった…。しかし…

これは「ヤリマン親友VR」と呼ぼう。すでに同棲するほどに親密な恋人(倉木しおり)にはヤリマンの親友(中尾芽衣子)がいる。

主人公は恋人と仲良くしつつも、恋人には睡眠薬を盛って眠らせ、ヤリマンの親友には媚薬を盛って首尾良くセックスにいたる。ことが終わってから目覚めた恋人は、ただならぬ気配に主人公へ詰め寄るが、媚薬を飲んでしまい、恋人とその親友との3Pに展開する、というあらすじだ。

まず、恋人とセックスするところからはじまるのは、恋人がどれだけ主人公に愛情を持っているかみせるのが狙いだろう。このレビューの本筋ではないからあまり触れないが、ここで見せる倉木しおりの演技には驚いた。

こんなにすごい女優だったのか。VRで見られる1対1のセックスとしては最高峰の一つだと思う。

演技者がすがる「何かしら」

導入部の結婚式帰りの演技はそれほどでもない。まるで溺れそうな漂流者が筏にすがりつくようにテーブルにすがりついていた。

その場に自然といる、たたずむということは本当に難しいのだろうと思う。多くの作品で、何かしらしていなくてはならないという強迫が演技者から透けてみえる。「何かしら」それらしい行為を見つけると、ひんぱんにそれが繰り返されることがよくある。この場合はテーブルに肘をついて体重を預ける仕草だった。

先日リリースされた『【VR】 開始0秒で即エッチ!最初から最後まで6人のお姉さんとエッチしまくり!!超エロいヤリマン巨乳お姉さんだらけのシェアハウスに入居したら、男はボク1人で24時間365日勃起しっ放しでエロい事しまくり!とにかくエロいお姉さんだらけでチ○ポの休まる時間が…』では、女性同士のキスがその「何かしら」だった。少しでも間の悪さが生じそうになるとキスする。とは言え、だいぶ意地の悪い見方だと自分でも思うし、手持ちぶさた感を出すよりはよっぽど良い。この作品自体はとても良いと思うし。

この「何かしら」にすがりつく演技のあるなしは、自分にとって一つの指標で、ない方が自然とその場にいるように見える。

今作での倉木しおりが最初にすがりついていた「何かしら」はセックス中に消え失せる。「何かしら」をそのまま主人公に見出したのかも知れない。まっすぐこちらに向かってくる、切実さにあふれた演技、情感たっぷりの演技がすばらしかった。

三部作の世界線のゆくえ

三部作、と勝手に呼んでいるが、監督にもメーカーにも、そんな意図はおそらくないと思う。しかし、この三作はある世界線を共有している。そして、これまで他メーカー、他監督によって作られてきた同種の「恋人巻き込み型ハーレム」作品とは一線を画する、野心的な狙いも共通していると思える。

その狙いとは、挑発や嫉妬、共感といった女性同士の生々しい感情がせめぎあうハーレムを成立させる、ということだ。いったいに、ハーレムVRは女性の感情を描くことはまずない。私が一番よね、的な競い合いがあるものは多いが、お約束の域を出ないし、そもそも本気でそう思うなら、その場から男を引き離すはずだ。

なぜ、他の女と男を共有しなければならないのか。その動機を「AVはファンタジー」的手法以外で描いたものはまず見られない。それが見たいかどうかは別として。

ハーレムに居合わせざるをえず、しかも参加せざるをえない女性を描く世界線

この三部作が迫ろうとしているのは、本来は1対1で、お互いを独占する関係であったはずが、他の女とはからずも一人の男を共有する状況となり、それを受け入れてしまう女性の心理を描くことじゃないかと思う。

はからずも、というのが重要なところで、だから「恋人巻き込み型ハーレム」、巻き込まれていくハーレムと呼ぶのだが、これは一種の洗脳に近い。

よく「快楽墜ち」と言われるシチュエーションのVRは、媚薬エステ系でよく見られるが、それとも似て非なるものだ。いっときのアバンチュールなら、すべてが終わった後に、何事もなかったような顔をして日常に戻れるが、三部作ではいずれもあらかじめ男女の間に恋愛関係が成立しているので、ハーレム状況は大事件になる。この後どんな顔して二人は顔を合わせていいのかわからない。

『地味悪女VR』、『カップル同時NTR VR』では、どちらも悪魔的女性が登場し、恋人を挑発してハーレムに巻き込んでいく。

お前の男はこんなことをされて喜んでいるぞ、お前は何もしなくていいのか、と詰めていく。他と比較して、何もしていないことを責めるのはまさに洗脳の手法だ。

こうした洗脳的状況で女性の抵抗を奪っていくVRはいくつかあって、自分が知る限り、最初はアタッカーズのVR第一弾と第二弾だった。ただ、これは悪魔的女性が中途半端で残念な結果に終わったと思う。とくに第二弾はかなり焦点がぼけていた。

大成功したのは『【VR】至近距離でゲボ汁噴射! 漂うマゾの匂い!響き渡る悲鳴と尻打音! 脳が震える変態鬼畜ワールドを体感! 女子大生の貪欲なメス穴を心ゆくまで嬲って●す! ドS男子大歓迎!裏サークル最狂ハードコア新歓乱交パーティ!』で、カルト宗教団体のような空間に引きずり込まれた。見ている自分まで洗脳されるようなまさに体験型VR。ただ、これはもともとそういう目的の団体であり、登場する女性と男性には事前の人間関係はないからアバンチュールの域を出ない。

恋人と自分の前に悪魔的女性が現れる。その女性と自分は関係を持ってしまい、さらには恋人もその悪魔的女性によって、一緒にセックスへ参加するはめになり、しだいにそれまでより大胆な行為へエスカレートする、というのが『地味悪女VR』『カップル同時NTR VR』の世界線で、これはハーレム参加を強制される女性の感情描写を避けて通れない。そして強制する洗脳的状況にじゅうぶんな説得力が求められる。演技者も演出も高いハードルを飛び越えなくてはならない。

快楽エステという装置によって、一度はこの世界線を成立させた

二番目の『カップル同時NTR VR』はこの世界線のゆくえにとうとう到達したすごい作品だと自分は思っていて、こんなレビューをTwitterに書いた。

あのVRは世界線は成立しそうでしなかった。実に惜しい作品だと思います。 カノジョの目の前で、悪魔的な魅力と思考の女がカレシをネトり、カノジョがそれに気づくとまったく動じないで、3Pをそそのかす。

悪魔的な女はドSにカノジョを挑発し、いつの間にかカノジョも洗脳されたようにセックスに没頭していく…。 というような世界線だったはずでした。 それが成立しきらなかったのは、女優の問題か、監督の問題かはわかりません。

よく演技力と片付けられますが、その世界線で女優が適切に振る舞えるかは、監督の力によるところも大きいと思います。 かっこつけて言うと、世界線の地図を渡しているかどうか、ということですね。 ※稲場るかは世界線の理解がすばらしく(もしかしたらズバ抜けて)高い女優だと思っています。

この引用部分で「あのVR」と呼んでいるのは、ここでいう三部作の第一作「地味悪女VR」を指している。

このツイートは、幸運にもまさのり監督の目にとまり、何回かやりとりをすることができた。まさのり監督は鍵アカウントにしているので、そのまま引用するわけにはいかないが、おおむね的外れな読みではなさそうだった。

悪魔的魅力を備えた女性が、恋人を挑発してひたすらに快楽を求める倫理無用の乱交状態をもたらすのは「カップル同時NTR VR」で実現した。では、今作「ヤリマン親友VR」は、エステという装置抜き、挑発する女性一人、第一作とほぼ同じ設定でやろうとしているのだろう。あの世界線のゆくえを今度こそ最後までたどることができる、この作品がリリースされたとき、すぐにそう思った。そしてそれは大きな勘違いだった。

ずいぶんぼんやりした世界線にみえた

見終わったとき、拍子抜けした。レズ要素は強くなっていて、倫理無用の乱交状態という雰囲気は「地味悪女VR」より強まっていたが、かんじんの挑発要素は皆無だった。媚薬を持ち込んで女性の本意が不明なままに無理やりハーレムにしたからか。

中尾芽衣子というベテラン女優を起用したのは、挑発部分の演技力に期待したからじゃなかったのか。

いや、よく考えたら、義理堅いヤリマン設定だった。もとより悪魔的女性ではなかったのだ。

もやもやしたけれど、正直言って、自分に刺さらなかったのは、単にキャスティングの好みだろうと思った。リリースから一月ほど経ってようやく見たのはそのせいもある。結果、倉木しおりの魅力に驚いたのだけど。すでにレビューをVR AV好きのTwitter仲間が書いているからそれを読むことにした。

その作品を輝かせるレビュー

さて、このVR AVを見る少し前、やっぱりもやもやする作品があった。『三度目の殺人』という映画。アマゾンプライムでお手軽に見られるようになったおかげだ。

アマゾンプライムで気軽に見られるのは良し悪しなところがあって、かなり雑に見てしまった。ご飯を作りながら見たりして、細切れに5回ほど分けて見たせいもあるが、ずいぶんぼんやりした映画だと思った。

意味ありげなシーンは数多いが、どれも関連性が見つけられず、なんで福山雅治が主演なんだろう、とそんなことばかり考えていた。福山雅治をどう処理していいのかわからない。是枝監督は国際的な視聴に耐えるために、長身で人種を越えて美形な俳優を使う必要があったのだろうかと邪推までした。

(そう思えば、キャスティングに疑問を持ったのは「ヤリマン親友VR」と同じだ。)

ふだんは冷淡にもみえる福山雅治演ずる弁護士が途中激高する場面はずいぶん唐突に思えたし、その唐突さは脚本や演出の問題ではなく俳優の問題にも思えた。

一方で、これまでまったく魅力がわからなかった広瀬すずのすごさに気づいたのでまあいいか、と思ったけど、やっぱりもやもやがおさまらずにレビューをネットで探してみた。そして、見つけたのがこれ。

『三度目の殺人』のレビュー

ネタバレ-映画-三度目の殺人-のネタバレ解説-ねたばれ-表と裏のストーリーに関する妄想に近い私の理解をまとめてみました

このレビューは映画を見ていたら圧倒的におもしろい。自分の目が節穴で、どれほど鈍いのか痛感した。

文字を追ううち、すべてのもやもやは解消して、映画に詰め込まれていた技巧に感動した。この映画、大傑作じゃないか、と思った。

レビューにはこんな力があるんだな、と今さらながら思った。

『ヤリマン親友VR』のすごいレビュー

『三度目の殺人』を輝かせたように、やはり、まさのり監督の三度目の恋人巻き込み型ハーレムVRを輝かせるレビューがあった、というのがこの記事の本筋だ。

このレビューは1122333(ひふみ)さん(以下、ひふみさん)によるもので、リリース直後のネタバレ無しレビュー、そしてこのネタバレ有りレビュー、さらにブログにまとめられたレビューがある。ブログの方はこちら

これを読むと、自分にはぼんやりしていた『ヤリマン親友VR』が輝きを増した。

ひふみさんがそう書いているわけではないけれど、このVRは「アンチ・ハーレム」VRとも言えるのだと思った。

序、破、Qと新劇場版エヴァンゲリオンの構成を引用して、序は恋人と、破はその親友と、そしてQは恋人とその親友との3Pと、ひふみさんはシーンを分類する。

Qではつかさも全裸になります。 サンプルを見たときに分かっていた情報ではありましたし、2人共媚薬を飲んでしまい、みはるにも主人公としてしまったことがバレた後は、つかさも自分に向く展開だと私は期待していました。 しかし、違った。

つかさが裸になったことで心を開いたのは、主人公に対してではなく、みはるに対して。3Pに移行してから、みはるとつかさは互いに裸になり、キスを繰り返します。主人公には決してキスしません。序であれだけキスしてくれた彼女が。破で薬のせいもあるとはいえキスしてくれたつかさが、一度も。

主人公の失策は、2人に親友以上の感情が眠っていたことを見抜けなかったこと。2人は主人公の「ちんぽ」を媒介に、レズ行為にふけります。最後まで、主人公にキスをすることなく。2人の、自分に向けられると思っていた欲望は、自分の目の前をすり抜けていきました。

この作品は、視聴者のミスリードを巧妙に誘っています。媚薬を使ってまでつかさを籠絡しようとしたのは、自分にベタぼれのみはるを含めて自分中心のハーレムを形成できるとの主人公のうぬぼれた行動。しかし、このハーレムの主導権は自分にはなく、むしろ一番毒のなさそうなみはるの深層意識にあった。

主導者だと思っていた自分がまさかの第三者。第1使徒から(1)3番めの使徒に堕とされるとは。もちろんみはるにはそんな意識も悪気もありません。薬を飲んでしまい、我を忘れたときに、いちばん大事なものにすがりついただけのこと(私は薬にしろお酒にしろ、酩酊状態の行動はそうだと思ってます)

・・・完璧です。キスに込めた意味、半裸・全裸に込めた意味。すべてが集約していく、無言のQパート。 自分の思い込みの可能性もありますが、こう考えたら全て合点がいきます。主人公のとった行動と結果にも納得が行きます。

引用はhttps://twitter.com/1122333_VR/status/1263987747204657152?s=20 より

L化した世界線

使徒のくだりは、Youtubeでエヴァンゲリオンチャンネルあたりの解説を見ていないととてもついていけないが(たまたま見ていて良かった)、(今作の)Qで大団円を期待したところが、むしろ盛り下がったように思えるのは、新劇場版エヴァの視聴後の印象にもなんだか似ている。

(エヴァの)Qの最後で世界はL化(LCLの赤く染まった人の住めない世界化)するわけで、今作も男性不要にL(esbian)化したとむりやり言えなくもないけど、それは言葉遊びが過ぎるか。

真剣に考えるほどハーレムはめんどくさい

恋人も手に入れたら、他のよさげな女も手に入れたい。ついでに一緒にハーレムできたら男の夢だよね! と思うことはよくあることだし、最近の芸能スキャンダルでもよく似た事例はある(事後、いろんなものを失うことも)。

痴女がワラワラと現れて、きゃー、イケメン、きゃー、おっきなチンポ、みんなで楽しみましょー! というハーレムがファンタジーなら、今作のようなハーレムは教訓を含むという意味で寓話である。

まさのり監督が、そんな寓話のつもりで今作を作ったのかどうかはわからない。ただ、恋人巻き込み型ハーレムを追求してくと、こうなっちゃうんだよ、お前ら、という意図があるのかも知れない。

恋人巻き込み型ハーレムはめんどくさいのだ。痴女がワラワラとイナゴの群れのように現れて、オナゴの群れとめくるめく快楽を味わうのはずっと平和だ。平和だけど、今度はそこに参加している女性はほんとに楽しいの? という疑問が残る(残らないくらい振り切れた作品もあるがここでは触れない)。

ハーレムに参加する女性の気持ちを大切に、という嘘

主人公と女性一人ひとりが単線的に結ばれる関係が複数あるだけ、というハーレムの退屈さはこれまでTwitterやらで何度も自分は書いている。

HHHグループVRは、そこで女性同士にもレズ関係を持ち込んでハーレムを多様にする試みをかなり以前からしている。その完成度は独走状態といっていいくらい。しかし、同じHHHグループの手法でまとめた作品にしてはかなり苦みが残る。手癖でまとめたように見えるが、実はそうではない、というのが、ひふみさんのレビューなのだ。

女性同士に関係性をしっかり持たせれば、みんなハッピーなハーレムが出現する? とんでもない、そうしたら自分がそっちのけになってしまった、という結末。

二人の女性が潜在的にレズにいたる意識を持っていたかどうかはわからない。ただ、ひふみさんのレビューはこの苦みをかみ砕く迫力がある。

最後にキャスティングについて。

今作のキャスティングにどれだけ監督の意志が反映されているのかはわからない。中尾芽衣子が演じたヤリマン親友役をもし浜崎真緒が演じていたら。もっとわかりやすく興奮するものになっていただろう(浜崎真緒はどんな状況でも心底楽しんでいるようにみえるから)。

でも中尾芽衣子だったことにはきっと意味があって、徹底的に「媚薬を盛られた義理堅いヤリマン」をやりきれる女優はなかなかいない、ということだったのかも知れない。むしろ巻き込まれたのは恋人の倉木しおりよりも、その友人の中尾芽衣子だったという気もする。

今作が、まさのり監督の「恋人巻き込み型ハーレム」三部作の終わりを飾る、と思いきや、まだこの先を待たなければならない。期待をあえて裏切るという意味で、期待を裏切らない監督なのだと思う。ひふみさんのレビューに敬意を表して最後にエヴァに寄せれば、次は4.0ではなく、3.0+1.0ということなのだろう。

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最近はアダルトVRにハマり中ですw VRやハーレムもののときはS寄り視点ですw

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